Redbull Xalps2021 DAY8 回想(JPN1)
DAY8。
この日は基本的に南東風の予報で、目指すTP7フィーシュからTP8ドンドッシュまでは追い風で飛んでいけるレグなのですが、そうは問屋が卸してくれないのが目の前に迫るヨーロッパアルプスの中でも一番といえる高所地帯。
このあたりの観光地は避暑地としてのアンデルマットが有名で、地中海にそそぐローヌ川、大西洋に流れ出るライン川の源流もこのあたりです。
この日はディセンティスのスキー場から飛び立ちますが、目指すフィーシュまではわずか60㎞あまりです。
しかし、数々の峠を越えていく必要があり、飛んでも歩いてもエックスアルプスの最大の難所といえる場所なのです。
一般的には、最後の峠フルカパスまではライン川に沿って東風が吹くことになっているのですが、アンデルマットあたりは5本の深い谷が集結する特殊な地形で常時西風が吹き、飛んで超えていくのに苦労する一帯なのです。
この日は、クラウドベースが低いこともありとても強い西風が吹き、峠に近づくにつれ対地高度も低くなっていくのであっという間に足がついてしまいました。
アンデルマットへ向かって飛ぼうと先を急ぎますが、アンデルマットへのテイクオフは南東強風で、ずっと待っていたローリーもあきらめて歩き始めます。
アンデルマットからは、ローリーは車道を行きフルカパスまでのハイク。
私は、飛べるチャンス狙いでトラバース道を。
フルカパスの手前5㎞地点でテイクオフのチャンス。
ダビデがバイクで先回りしていて、時間が押しているので必死にサポートしてくれます。
至福のソアリングコンディションでしたが、管制空域に蓋をされていてちょい低めでグライド。
フルカパスの吹き下ろしに引っかかり、200mも谷底に降ろされて不時着。
急斜面を4つ足でやっと上って、最後のテイクオフ。
グリムゼルの三叉路を何とか抜け、ローヌ川の谷に抜けることに成功しました。
この日はクリスチャンマウラーが北側ルートを通りとんでもないマジックムーブを決め、トップグループから抜け出しました。
他のトップ集団は全員南ルートを選択で、結果失敗か?
それでも、次の日に全員凄いフライトをし時間内にゴールまで到達しているので、やっぱりマウラーだけが特別なのかもしれません。
夕方、三木さんも応援に来てくれ、マウラーの凄さを語り合いました。
明日は、アレッチ氷河を横目にフランスを目指します。
この日は、NOVAチームのセオがSIONのCTRに着陸してペナルティーを受けることになりました。
そこで、管制空域についての解説をどうぞ。