Redbull Xalps2021 DAY11 回想(JPN1)
DAY11。
昨日は追い越すことが目標となったセオが意外と距離を伸ばせなかった感じで終了したので、ゆっくりペースで歩き体力を温存した形で終了しました。
オーストリアからスタートし約400㎞程、西に移動しましたので日の出が遅いからなのか、はたまた空が雲に覆われているからなのか、朝起きてみるといまだ暗がりで、この日のスタートはヘッドランプが必要な暗さです。
しばらく歩くとレマン湖が見えてきました。
レマン湖の東の端は、マニューバーをやるエリアとして昔から有名で、1990年代の初めのころ、JMB立山パラグライダースクールの校長関沢さんがアエロタクト主催のマニューバー講習に参加し、パラシュートを開傘して帰ってきたエリアです。
昨日、沿道に応援に駆けつけてくれたアランゾラはエアターコイズ(アエロテスト)の親分で、自らメーカーが差し出すグライダーのテストを行っています。
(下記ビデオは、レマン湖上空でのBoomerang9のテスト風景)
当時エアターコイズはとても危険だった2ライナーのテストを本気でやってくれていました。
2ライナーの出始めのころから比べると、今はCCCのカテゴリーができ、グライダーの安定感も抜群に良くなってきていますが、彼らが頑張ってくれたおかげです。
なんせ、危ないことをやってくれるのですから、皆様感謝しましょう。
そのころから比べればX-alps用のグライダーの開発も進み、当時は考えてもみなかった2ライナーが主流となり、とても良い仕上がりだと感じています。
2013年のエックスアルプスでは使用するグライダーはEN/Dの認証を受ける必要があるというレギュレーションができ、GINのグライダーをアランゾラにテストしてもらったことを思えています。
日本チームの只野さん達は現地トレーニングに入っていましたが、私はチームから離れてアランゾラを訪ね、X-alps用のグライダーの承認テストを受けたことを覚えています。
テストに合格しなければ、エックスアルプスへの参加は認められなかったはずですので、冷や冷やものでした。
ハイクアップ前のウエザーブリーフィングでの予報は西風強風。
ドンドッシュを攻略するにはできるだけ西からテイクオフする必要があります。
そして、モンブランへ近づくには風下の流されないようなフライトが必要であるとの指示が出ていました。
実際フライトしてみると予報通り西風強風。気温減率は良いのですがクラウドベースは2000m以下で、ドンドッシュのピークも雲に隠れた状況でした。
早朝ハイクから、フランス国境までは後藤さんに付き合っていただきました。
テイクオフまではジュリアノと一緒にエックスアルプスのメディカルクルーも私の体調を気にして(単なるエックスアルプスファンのようでしたが)同行しました。
そして、いよいよテイクオフ。
フライトは西風が強く、ドンドッシュのピークは雲の下でクラウドベースまで上げると雨が降っている状況。
西進するのは難しく、私は高い山(フランスとスイスの国境)に沿ってのフライトで距離を伸ばします。
結果、フランス側には着陸できず、またもやスイスに降りてしまいましたが何とかセオを越した位置まで駒を進めることが出来ました。
この日は万が一の時にそなえてナイトパスを申請していましたが、使うことなく次の日にモンブランに近づく作戦を立て、この日を終了いたしました。