Redbull Xalps2021 DAY2 回想(JPN1)
足の状態をリカバリ-させる為にゆっくり休養をとり、食事をとり、水分をとり迎えた2日目は快晴。昨日の体調不良が嘘みたいに調子が良く、フライトコンディションも良さそうという事で、今日はTP3キッツビール、TP4アッヘンタルまでは行きたい感じでスタート。この日の作戦は、午前中はピンツカウの南側の南北の尾根を使って西進し、お昼時を狙って谷渡りしキッツビールへトップラン。その後、北風をついてアッヘンタルまでどのルートをとるか?。まずは、朝一番のフライトを目指して、Grundegg 2168mまで、マテウとハイクアップ。
佐相さんと参加していた時は紙地図が必須アイテムでしたが、今回影のサポートで同行いただいた地図を広げると3Dに見える地図オタクの佐相さんでも、「もう俺はいらないかな」と言わしめるほど、スマホのアプリが進化しています。ただ、画面が小さすぎて我々にはちょっときついことと、縮尺が分かりにくいので、私たちはやはり紙地図の世界で、エックスアルプスを牧歌的に楽しみたい世代だという事を感じて帰ってきました。
アプリの使い方を動画で紹介します。
グーグルアースとの併用で、森林限界を超えた飛べそうなところをリサーチしながらのエックスアルプスです。
ということで、DAY2のファーストフライトは対岸のテイクオフできそうな場所の下へトップラン。地形をよく見ながら、登山道があるのを確認してのトップランディング。グライダーの滑空性能も素晴らしいですが、思った以上に良い場所に突き刺されました。
そしてセカンドフライトですが、リッジソアリングでサーマルがはっきりするのを待っているとやってきたのが、あのイタリアの伝説のパイロット「ルカドニーニ」の息子で、20歳になる前にルカに勝ったことがあるというニコラドニーニ。今回NOVAのチームパイロットに抜擢された、クリスチャンマウラーも一目置く新進気鋭の若者です。一緒にリーサイドのサーマルで上げきり、私は予定通りのコースで谷渡に入りますが、二コルはまだ早いと思われる対岸への谷渡にはいります。まだ序盤戦、人と一緒に飛ぼうという意識と、一緒に飛んでみたいという興味から二コルを追従。これが、はずれであっけなくボムアウトしてしまいました。2008年トルコでのスーパーファイナルタスク1で、集団から抜け出しトップ目のあった私ですが、ルカドニーニがすかさずファイナルグライドに入ったのを追いかけて、2人ともボムアウトしてしまった時を彷彿されました。しかし、エックスアルプスは、失敗したことを長く引きづっている暇はなく、前向きに次の行動に移り、最善を尽くすイベント。すべては計画通りに行くはずはなく、凡ミスのおかげで良い事が起こると信じ、常にポジティブに考えて行動することが、このイベントの最大の魅力といえるでしょう。
DAY2 3登目は、この日から合流したダビデ子飼のパイロットで、先週イタリアのフェルトレ近辺で開催されたH&Fレースで2位入賞を果たしたジュリアノと一緒です。ピンツカウの谷は、午後からハイウエーになることが多く、汗がしたたり落ちる熱い中ではありましたがとにかく良いテイクオフポイントへと頑張りました。おかげで、ファーストサーマルは至福の3000mオーバー、zee am see付近の航空管制空域に注意しながら駒をすすめます。zee am see を渡ったところで、強烈な雲の吸い上げにあい一気に4000mオーバー。XCトラックの管制空域接近アラームがピンピンなる中、二度と管制空域には入るなという指示を思い出し、決死のスパイラル降下。一気に1000m高度を落とすことに成功し、難を逃れられました。
その後は、順調にスキー滑降で有名なキッツビールへトップラン。ダビデから、キッツビールのテイクオフが強い北風が入っているとの情報を受け、DJにこの日一番のトップランディングといってもらえたほどの完璧なアプローチでした。このフライトはプラン通りかとの質問を受けましたが、正直にNOと答えておきました。
そして、DAY2の核心部。北風をついていかにTP4へ近づくかですが、方法は一手。前方にそびえ立つカイザー山系のリーサイドへ飛び込むのみです。若干東っぽい北風を感じながら微妙なリッジソアリングで平野部を渡っていきます。思った通りにカイザーをトップアウトしたのちは、前回苦労したアシャウ山系をほぼ同時になったポーランドのミハエルとグループソアリングを駆使し、TP4 3km手前までグライド。DAY2も結果的には納得のいくフライトで終えることが出来ました。
移動距離:236.47㎞
ハイキング:37.23km
フライト:236.47㎞
アッヘンタルの噴水で、足を洗いました。
長く歩くと、足に熱をもって低温やけどのような水ぶくれができてしまいます。
事あるごとに、足を冷やすのが大切です。