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Redbull Xalps2021 DAY3 回想(JPN1)

フライト後の満足げな顔(有頂天になっているともいえる)


DAY3はドイツとオーストリアの国境をTP5(レルモース)に向けて飛ぶ、私にとっては初めてのルート。
RBX2017で、このルートを飛んで行ったクリスチャンマウラーのフライトログなどを参考に、国境の高い山並みを伝っていくのが良手だろうという、漠然とした飛行コースのイメージしか浮かんでいない私でした。
ダビデアドバイスは、2000m以下に逆転層があり北風が強くなる予報のKufsteinの谷を越せるかどうかが最初の山場となるので、早めのテイクオフを望むとのこと。
私とジュリアノが選んだテイクオフポイントは、この一帯では一番高いところ1808m地点のGeigelstein.
ちょっとでも高いところから、周りにいるパイロットたちの動向を眺めながらテイクオフのチャンスを待つつもりでした。


この日のフライトコース全体を東から西へ向かって全体図


南回りの飛行ルート


テイクオフに到着すると、クラウドベースは200mほど下で、朝一のサーマルが発生するにはちょっと独立峰的なピークでしたので、早くテイクオフしたいもののなかなかソアラブルな雰囲気になりません。
周りではまず、小熊がテイクオフ後苦しんでいる様子がうかがえ、その先でテイクオフしたパイロットもなかなか上昇しないとダビデからの情報もあり、もう一つ踏ん切りがつかないまま待つこと2時間。
しびれを切らしてテイクオフしたものの、クラウドベースより高いこのピーク付近にはサーマルがなく、リーサイド~対岸Spitzsteinに渡ってはじめて1800mぐらいのクラウドベースに付けてからのスタートとなりました。
エリアに関しての情報は、ライブトラックで観戦しているPHIのwhats up グループからKufsteinの谷を渡る前はSpitzsteinで上げ切ってからわたるようになど、とても参考になるものが流れてきます。
そして、すでにKufsteinの谷は北風が強くなっているなど、リアルタイムな情報もとても役に立つわけですが、時すでに遅いかなと思いつつ大きな谷渡りに入ったわけです。


テイクオフから問題の谷渡まで。どうせだったら、2時間前のテイクオフだったらもう少し楽な展開になっていたかもです。


谷渡りに入りましたが、渡った先の様子をうかがえるはっきりとした雲もなく、こういう時はおにぎり山のリーサイドと安易に突っ込んでいったところ、太刀打ちできないほどの北風が入っており、逃げ足早めに完全追い風で、足がつきそうになりながらもなんとかリッジのかかっている場所に到達。やばかった。こうなると強い風は味方してくれて、対地高度は100mぐらいですが降りる気配なし。ダビデからはインスブルックへ向かおうとの指示があり、私も望むところだったので強い北風と谷風の交わったところを目指してGO。


ダビデのアドバイスでインスブルック方面へ


雲がはっきりしないイン谷に沿って飛行しながら、気持ちは、少し北側のしっかりしたクラウドベースにつきたいところなのですが、あてもなく深い谷に降りてしまうリスクを考えると、何とかアッヘンゼーへたどり着くことを選択。最後は粘りに粘ってクラウドベースをゲットし、念願だったPHIオフィス上空をX-alpsロゴの入った機体で通過することに成功。



アッヘンゼーの先の高い山は、午後の北風を利用してリッジソアリングでZugspitzまで行けることを前回、前々回の大会で承知していたので、迷わずた湖を渡ります。が、山の稜線は2500m、クラウドベースが2000mと下から見ていたサポートのダビデはどこに入っていくのかと心配したほどの怪しいコンディション。私は、リッジソアリングはできるものの雲に吸われないように、岩盤に衝突しないように、うる覚えの山系を思い返しながらのフライトでした。



まずは、雲の隙間から後光が差したようにコルがくっかり浮かび上がりすかさずトップラン。



光が見えてよかった


グライダーを担いだまま歩いて北風が受けているところでこの日2度目のテイクオフ。2度目のトップラン。


狭い谷だったがリッジがかかりレベルキープで高度ロス無し


グライダーを担いだまま歩き、この日3度目のテイクオフ。


3度目のテイクオフとトップラン。


今度は歩く距離が長そうなので、ザッグにパッキングし歩き出す。
目指す深い渓谷に差し掛かるが、追い風なのでガレ場の急斜面に上り、後ろに向かってライズアップのテイクオフ。


エックスアルプスではよくある、ちょっと高いところへあがって進行方向後ろ向きでにライズアップしテイクオフ。テイクオフ後はすぐにターン。

夕方のラストサーマルにも恵まれ、深い、称名滝の上部の渓谷みたいなところを抜けることが出来ました。



このビデオを見ても、自分ではこれぞエックスアルプスという飛びができたと思って有頂天になっている様子がうかがえます。
私にとって、DAY4、天候に応じていないコースの選択ミス、有頂天になった心理のままハイペースで登り切ってしまった疲れ、思ったよりずっと遠かったTP5・・・・
クリスチャンマウラーはこの飛びと比べて毎日もっとすごい飛びをしているにも関わらず、冷静に次の日の計画を立てていけるところに強さがあるのだと思います。
12日間のレースです。ゴールはとても遠いところです。体力維持、食欲維持、しっかりとした睡眠がとれて初めて空中での冷静な判断が可能となります。


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